（日本）2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとするカーボンニュートラルの実現に向け、CO2固定・再利用等の重点分野について、NEDOに２兆円の基金を創設し、企業の研究開発を10年間継続して支援することで、革新的技術の早期確立・社会実装を図っていく。

（世界）2020年9月　中国の習近平国家主席は、国連総会のビデオ演説で2060年までにCO2実質排出ゼロを目指すことを表明した。

　2020年10月　日本の菅首相は2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを宣言した。また、2021年1月18日の施政方針演説でも、脱炭素社会の実現について述べた。

　2021年1月20日　米国のバイデン新大統領は、トランプ前大統領により離脱していたパリ協定（温暖化対策の国際的枠組み）への復帰を命じる大統領令に署名した。

（世界）いわゆるリーマンショックにより、企業の短期的な利益追求に対する反省の機運が生まれ、環境、社会、ガバナンスを重視した企業が成長を続けられるという考え方が広まった。

（日本）文部科学省・気象庁が公表した「日本の気候変動2020」では、パリ協定の2度上昇目標が達成された場合、今世紀末の日本の平均気温は約1.4度上昇、現時点を超える追加的な緩和策をとらなかった場合は約4.5度上昇すると予測している。

（世界）2020年9月、IFRS財団が国際的なサステナビリティ（ＥＳＧ）基準を作成する団体を設置すべきかについての公開協議に入った。これに対し、日本の金融庁等が事務局を務めるIFRS対応方針協議会が、設置を支持する旨のレターを発出した。IFRS財団がサステナビリティ基準の作成を進めれば、乱立が問題となっている基準の統一が期待できる。

（日本）PRI宣言を遡ること90年前、日本資本主義の父と称された渋沢栄一翁は、第一国立銀行(のちの第一銀行・第一勧業銀行・みずほ銀行)等多くの企業を設立したほか社会貢献活動を積極的に行った。「国の富をなす根源は何かといえば、社会の基本的な道徳を基盤とした正しい素性の富だ(士魂商才・商業道徳)」「自分を愛する気持ちが強いなら、その分、社会もまた同じくらい愛していかねばならない」(引用文献：論語と算盤、渋沢栄一著、角川ソフィア文庫)と説いている。

（世界）国連は、2005年世界の機関投資家に向け、責任投資原則(PRI)作成プロセスの参加を呼びかけ、企業が生産活動を行う場合に必要な資本を調達する際、投資家はEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)を考慮した経営を行っている企業であるか否かを判断事項の1つとすべきであるとのPRIの精神を投資市場に浸透させる目的があった。