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評価の適正化と均衡化を目指して
平成6年度評価替えにおいて土地の評価では標準宅地の鑑定評価が導入され、地価公示価格等の7割評価となりました。その後の評価替えを経て、全国の市町村で評価の均衡が図られてきました。
しかし、土地に限らず家屋及び償却資産も含めた固定資産税評価に対して、納税者の目は年々厳しくなっています。固定資産税の評価は大量一括評価ですが、納税者は個別評価の観点で評価・課税が適正か注視しており、適正な評価とともに評価方法に対する説明責任が求められています。このため、例えば土地の評価では路線価の均衡はもとより、所要の補正の範囲と適用方法、地目間の評価バランス等、評価全般にわたる体系整備がますます重要になっています。
このような固定資産税評価・課税実務を取り巻く環境の変化も踏まえ、弊所では、本社(公共部)に所属する固定資産税評価・課税実務に精通した専門家と、全国の支社・支所に所属する各地域の不動産市場に精通した不動産鑑定士が一体となり、市町村が適正な評価と課税を行うためのサポート体制を整えております。
弊所の組織力を背景として、「相談」や「診断」により、それぞれの市町村の抱える悩みや課題を把握し、「説明力の強化」と「効率化の実現」を基本的な方針として、「助言」「研修」を通じて適正で均衡ある固定資産税評価と評価替え事務の支援を行います。初任者の方に向けた基礎的研修などのご要望にもお応えいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
1.路線価評価支援 | 路線価評価支援においては、固定資産評価基準に則り、「用途地区、状況類似地域・地区の見直し」「土地価格比準表の作成」「路線価評定」といった一連の手続きの適正化を支援いたします。 「用途地区、状況類似地域・地区の見直し」では、前回評価替えからの街並みの変化、都市計画の変更、新駅や商業施設の開業等を踏まえ、地域に精通した不動産鑑定士が、固定資産評価基準の考え方に則して、用途地区区分、状況類似地域・地区区分の見直しを提案します。また、標準宅地の選定替えを支援します。 「土地価格比準表の作成」では、適正で均衡のとれた路線価を評定するための比準表作成を支援し、併せて、路線と画地の価格形成要因の区分を提案します。 「路線価評定」では、土地価格比準表を適用して算定した仮路線価について、鑑定評価の視点を加えて路線価調整を行い、均衡のとれた路線価評定を支援します。 また、路線価評定結果を反映した路線価図・路線価マスタデータ等、固定資産税評価・課税に必要となる各種資料の整備も支援します。 |
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2.評価要領の適正化支援 | 固定資産税評価では、地方税法及び固定資産評価基準に則り、それぞれの市町村の実態に即した実務的運用を記載した「評価要領」等を作成している市町村があります。 「評価要領」は、例えば土地の評価では、地目・画地の認定や、画地計算法等に関する所要の補正、宅地以外の地目の評価方法、適用する造成費相当額等、地方税法及び固定資産評価基準が許容する範囲内で、市町村が個々の不動産の実情に即した評価を実施するための運用上の取扱規程を網羅的に文書化したものと言えます。 弊所では、それぞれの市町村が定めた「評価要領」における現行の評価体系を把握した上で、不動産鑑定士による分析及び評価実務上の経験値等に基づく検証を実施し、適正な補正率等を提案します。 農地、山林、雑種地など宅地以外の地目の評価方法についても、地域に精通した不動産鑑定士が、それぞれの市町村における地目別の土地評価バランスを踏まえて提案します。 また、「評価要領」に関する提案内容については、ご要望に応じて説明会や研修会を実施し、市町村職員様の説明力強化を支援します。 |
3.各種相談対応・研修 | 固定資産税(土地・家屋・償却資産)評価に関する審査申出及びその他の諸問題に関して、関連情報の提供や参考資料作成を支援するとともに、評価内容を精査のうえ、その妥当性について助言します。 また、地方税法及び固定資産評価基準の改正、固定資産税関係の裁判例、全国の自治体における固定資産税評価及び課税の動向、不動産の価格に関連する法規(都市計画法、建築基準法等)の改正などの情報提供及びこれらに対応するための調査及び技術支援を行います。 提供した情報や、作成した資料の内容については、ご要望に応じて説明会や研修会を実施し、市町村職員様の説明力強化を支援します。 |
Q日本不動産研究所に支援業務を委託した場合、評価の相談や研修会について、具体的にどのように対応してもらえるのですか? | 評価の相談について、回数に制限を設けず、地方税法と固定資産評価基準に即した、公正で妥当な回答をお示しします。答えが唯一解として定まらない場合は、選択肢とメリット・デメリットを示し、お客様と共に検討します。 また、審査申出や、照会、クレーム等への対応に際しては、豊富な実績から得られた知見を生かし、専門家としての確かな目をもって、評価内容を精査のうえ、その妥当性について助言します。 研修会は、必要に応じて、複数回開催します。また、職員の皆様の経験年数に応じ、初任者向けと経験者向けに分けて開催することも可能です。テキストは、分かりやすく的確な弊所オリジナルのレジュメを使用します。 |
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Q当市では固定資産税評価の課題について内部で協議しながら解決を図っていますが、以下のような事案の対応に苦慮しています。 ・固定資産評価基準の改正への対応 ・重要な裁判例への対応 ・適正な路線価バランスの実現 適正な対応には、専門家の知識と経験が必要と考えており、業務の一部を外部委託することも検討しております。 日本不動産研究所も候補のひとつと考えておりますが、委託した場合どのような対応をしてもらえるのでしょうか? |
固定資産評価基準の改正は、学識経験者等による委員会の報告書等も参考にして決定されますが、私共にも委員に選任された職員がおりますので、改正の意図を把握した上で対応を考えることができます。 重要判例への対応は、判例についての正しい理解が何より重要となりますが、所内に所属する弁護士に助言を求めるなど、必要に応じて適切な対応を行います。 路線価の均衡を図ることは、価格事情に精通する不動産鑑定士を全国に抱える我々が最も得意とするところです。これに固定資産評価基準の遵守、適正な運用をあわせ検討いたします。 以上により、納税者の皆様に対する説明力を備えることができます。 |
Q当市では、評価要領について見直しを考えていますが、日本不動産研究所に依頼した場合、具体的にどのように対応してもらえるのですか? | 市町村長は、固定資産評価基準によって、固定資産の価格を決定する義務がありますが、固定資産評価基準は全国画一的に定められたものであり、その規定内容が抽象的かつ概略的である側面は否めません。 そこで、各自治体は、固定資産評価基準に規定されていない細項目の補完、地域の実情に応じた所要の補正等、具体的な評価方法を内規として定め評価事務を運用しており、この内規を一般に評価要領と呼びます。 評価要領に求められるものを、私どもは、①固定資産評価基準に適合した具体的な評価方法が規定されていること、②客観的交換価値としての適正な時価を上回らないために所要の補正等が適切に規定されていることの二点と考えております。 そこで、貴団体における評価方法が固定資産評価基準に適合しているか、所要の補正等の過不足はないか、その格差率は妥当かを検討し、見直しの検討が必要と認められる場合には、その根拠、見直した場合の必要な作業量、税額への影響などを十分に説明し、実施の有無を協議します。 協議の結果、見直しが決定した場合は、評価要領の改定案をご提示し、納税者の皆様に対して説明力を備えることが可能です。 |