下流に重要な保全対象がある地域で土砂流出の著しい地域や崩壊、流出のおそれがある区域において、林木及び地表植生その他の地被物の直接間接の作用によって、林地の表面侵食及び崩壊による土砂の流出を防止するために指定する保安林
下流に重要な保全対象がある地域で土砂流出の著しい地域や崩壊、流出のおそれがある区域において、林木及び地表植生その他の地被物の直接間接の作用によって、林地の表面侵食及び崩壊による土砂の流出を防止するために指定する保安林
流域保全上重要な地域にある森林の河川への流量調節機能を高度に保ち、洪水の緩和、各種用水の確保を目的とする保安林
森林法第25条1項には、「農林水産大臣は、次の各号(指定しようとする森林が民有林である場合にあっては、第一号から第三号まで)に掲げる目的を達成するため必要があるときは、森林(民有林にあっては、重要流域(二以上の都府県の区域にわたる流域その他の国土保全上又は国民経済上特に重要な流域で農林水産大臣が指定するものをいう。以下同じ。)内に存するものに限る。)を保安林として指定することができる。以下省略」とある。
一 水源のかん養
二 土砂の流出の防備
三 土砂の崩壊の防備
四 飛砂の防備
五 風害、水害、潮害、干害、雪害又は霧害の防備
六 なだれ又は落石の危険の防止
七 火災の防備
八 魚つき
九 航行の目標の保存
十 公衆の保健
十一 名所又は旧跡の風致の保存
森林法第5条には、「都道府県知事は、全国森林計画に即して、森林計画区別に、その森林計画区に係る民有林(その自然的経済的社会的諸条件及びその周辺の地域における土地の利用の動向からみて、森林として利用することが相当でないと認められる民有林を除く。)につき、五年ごとに、その計画をたてる年の翌年四月一日以降十年を一期とする地域森林計画をたてなければならない。」とあり、地域森林計画の対象となる民有林をいう。
森林は、国有林と民有林があり、所有者によって分類する。国有林の所有者は国であり、民有林の所有者は個人や企業のほか都道府県、市町村も含む。また、個人や企業が所有する民有林を私有林と呼び、地方公共団体が所有する民有林を公有林という。なお、荒廃の進んだ私有林については、森林のもつ機能を回復するために、東京都の多摩地区では、水道水源林として東京都が購入したり、東京都の森林再生事業が実施されている。
森林には、水資源貯留機能、水質浄化機能、洪水緩和機能がある。水源涵養林とは、主に河川や取水施設の上流において、水資源利用の目的で上述の働きが重要とされる森林をいう。 水源涵養林は、間伐により、林内に太陽光が差す環境を整え、下草の生育を回復させるなど森林を適切に管理することで、各機能を維持する。東京都では、水道水源林として水道局が多摩川上流の約25,000haの森林を管理している。
公益財団法人鉄道総合技術研究所は、西武鉄道グループの伊豆箱根鉄道駿豆線において、世界初の営業列車運用での技術検証を実施した。期間は、2024年3月13日から2024年度中を予定しており、「大仁」駅構内で運用中である。1日あたり上下線合わせて135本の電車に電力を供給している。超電導ケーブルは長さ102メートルで、冷却システムに液体窒素を冷媒として超電導状態を維持して、本線で必要な3,000アンペア以上の電流を送っている。
運搬上の制約から、超電導ケーブルの1本あたりの長さは500メートル程度で、都市部の変電所の間隔は数キロメートルあるため、導入の際は現場で接続していく必要があり、接続技術の開発が必要である。また、長距離にわたる超電導ケーブルを安定して冷却しておく必要がるため、冷却システム等の設備機器(冷媒を冷却する冷凍機、冷媒を圧送する循環ポンプ、冷媒を保冷する断熱管)の開発が重要である。
直流電気鉄道は、車両に電気を送る「き電線」の電気抵抗によって①回生失効②送電損失③電圧降下等など効率が悪い電気の使い方が起きる。超電導送電技術は、電気抵抗ゼロで送電が可能なため「き電線」へ適用を目指す車両の走行試験を公益財団法人鉄道総合技術研究所の試験線で行っている。実用化が可能となれば省エネや変電設備の集約・削減によるメンテナンスコスト削減・人手不足解消が期待できる。
風向や風力の発生、安定性等及び海域、海底の状態等の調査を行い、適応した基礎を製造し、風車を輸入(日本では大型風車の製造を行う企業は無い)し、ナセルやローター、電気系統の連系装置等の機械設備を現地で設置し、保守・管理・運営を行う。償却後は、撤去費用を掛け、以前の自然の状態を回復させる。また、施工や保守点検で修理が必要な場合には、SEP船が必要となるほか維持・修繕の人材育成も必要となる。
2013年福島県沖で複数基の風車をケーブルでつないだウインドファームで、浮体式洋上風力発電所を設置し、観測タワーを設け、気象・海象データを測定する実証を行った。浮体の幅は最大100㍍と大きく、海域で受ける波風でブレード(風車)が傾いても戻るような技術が必要となる。当該施設は、故障が相次ぎ設備利用率が低迷し撤去を余儀なくされたが、先駆的実験のデータは、令和の時代に受け継がれている。
洋上風力発電には、着床式と浮体式、セイリング式がある。着床式は、水深50~60㍍より浅い、通常遠浅の海岸と言われる海域に適用される。基礎(支持構造物)部分を海底に設置し固定した上部に発電設備を取り付ける。日本は遠浅の海域が少なく、水深60㍍を超えると着床式のコストが浮体式を上回ることから浮体式が適している。
蒸気タービン発電機で発電使用後の低圧となった蒸気を利用して、空冷ファンを回転させ、空気を冷やし水に戻す装置(蒸気復水器)がある。この水をエコノマイザに送り、温水にして、再びボイラに送る循環システムで、蒸気が作られる。エコノマイザとは、蒸気復水器で蒸気から戻った水を管に通し、排ガスの通過による廃熱を活用して温水にしボイラへ送る装置を言う。
収集したゴミをゴミ収集車が、ゴミピットに搬入し、ゴミクレーンバケットで焼却炉に移送する。焼却炉で2~3時間かけて完全燃焼させ灰にする。その際、ダイオキシン類の発生を抑えるため850℃以上の高温で焼却している。このときボイラではゴミを燃やした廃熱で熱交換を行い、蒸気を作り、排ガスを冷やす。そして、過熱器を通して、高温高圧蒸気を作り、蒸気タービン発電機に送られる。ごみ焼却で発生した灰は、金属等を取り除いた後、日の出町エコセメント化施設へ運ばれ、道路側溝や歩道ブロック製品の原料として使用されている。
クリーンセンターでは、ゴミを燃やして発生する熱を利用して発電を行っている。蒸気タービン発電機は、ゴミを燃やして作られた高温高圧蒸気の力を利用して、羽根車を回転させ減速機を介して発電する。発生した熱や電気は、武蔵野クリーンセンターで使用されるほか、武蔵野市役所、武蔵野総合体育館、緑町コミュニティセンター等に供給し、余剰電力は電力会社へ売電している。
International Thermonuclear Experimental Reactor(国際熱核融合実験炉)の略で、重水素と三重水素が融合して1つの原子になったときに僅かな質量を失う代わりにエネルギーを生み出す状態を観測する実験炉で、現在フランスで2025年の実験開始に向けて建設が進んでいたが、部品の不具合等で、早くても2033年の完成を待つことになる。
核融合は、地上の太陽とも言われる次世代のエネルギー技術で、1㌘の燃料で石油8㌧分相当する莫大なエネルギーが得られると言われている。ただ、核融合反応を安定させるためには、温度がセ氏1億℃を維持し続けなければならず、条件が揃わないとすぐ停止してしまう。
この実験炉の成果と経験により、将来の発電炉の技術的見通しを得ることができる。
重水素と三重水素の核融合反応により、ヘリウム(He)と中性子が生まれる。この時に莫大なエネルギーが放出され、発電に利用することが可能である。
エネルギーの発生要因は、水素が数千度以上に加熱され、水素の原子核の陽子と電子が自由に飛び回るプラズマ現象が起き、このプラズマをコントロールすることで、原子核同士を衝突させ核融合反応を起こすことができるようになる。
エネルギーのもととなる重水素は海水に豊富に含まれており、資源枯渇リスクは小さく、発電時には温暖化ガスであるCO2を発生させない。
Self Elevating Platform(自己昇降式作業台船) の略で、洋上風力発電装置を作る際の大型風車建設に対応可能な船。
洋上風力発電所を設置する場所まで、基地となる港から風車の基礎等の部品を運搬し、設置場所でSEP船による基礎施工や風車の備え付けを行う。また、SEP船は自ら航行可能な自航式とタグボートで曳航して目的地まで運ばれる曳航式がある
1945(昭和20)年5月25日、米軍のB29による焼夷弾の直撃を受け、丸の内駅舎のドームと3階部分が消失した。25日深夜、丸の内北口の屋根裏から出火し、中央口から南口へ延焼、ドームの屋根が焼け落ちた。しかし、26日には復旧活動が始まり、27日には列車5本の運転が再開した。
1947(昭和22)年、天野東京駅長が同じ駅舎の再建を主張したが、日本の財政事情が厳しく従来と同じ設計による再建は叶わなかった。
煉瓦積鉄骨造り3階建て、左右に八角形の広間を配し、銅板葺きの巨大ドームを備えるルネッサンス様式の駅舎。御影石や高級木材を使用し、当時の帝都の玄関に相応しい建築物であった。
1903(明治36)年、前東京帝国大学工科大学学長の辰野金吾氏が設計。初代鉄道院総裁の後藤新平の意向で設計変更が繰り返され、1908(明治41)年に駅舎基礎工事が始まった。1914(大正3)年12月14日、総坪数3,184坪(うち駅舎部分2,341坪)、正面長334.5mで左右に巨大な2つのドームを持つ駅舎が竣工した。