No.16 福島県浪江町

一時帰郷の宿泊施設が再開 福島県浪江町
「町民と歩む木造仮設住宅」

一般財団法人日本不動産研究所 福島支所
不動産鑑定士 淺川和徳

 福島県双葉郡浪江町。浜通り北部にある海に囲まれた自然豊かな町は、11(平成23)年に発生した東日本大震災と原発事故により深刻な被害を受け、全町避難を余儀なくされた。段階的に帰還困難区域は解除されてきたものの現状は依然として厳しく、20(令和2)年6月末現在、町民1万6911人に対し、実際の浪江町居住人数は僅か1428人。町民のほとんどがいまだに全国で避難生活を続けている。そんな避難住民の一時帰郷の拠点として活用されてきたのが、18(平成30)年6月に営業を再開した「福島いこいの村なみえ」である。