地区住民の手で復活した商家のまち
維持ではなく暮らしやすさ
一般財団法人日本不動産研究所 岐阜支所
不動産鑑定士 西村 隆
千三百年の伝統を誇る岐阜長良川の鵜飼い、その鵜飼い観覧船の乗船場から南に広がる湊町、玉井町、元浜町界隈を「川原町」という。 岐阜城の麓に位置する川原町は十六世紀の斉藤道三、織田信長の時代の頃には市場が開かれており、江戸時代になると奥美濃で伐採された木材、美濃和紙、関の刃物等を扱う問屋が軒を連ね川港として発展してきた。今でも当時の商家を偲ばせる格子戸づくりの日本家屋が散在するエリアである。