No.31 大分県臼杵市

貿易と醸造で栄えた「町八町」
江戸、昭和の人文的資源を残す

一般財団法人日本不動産研究所 大分支所
不動産鑑定士 上治 昭人

 大分県の西部、大分市の南西側に臼杵市はある。臼杵は「うすき」と呼び、その由来は臼杵古墳の入口に立っている武人の石像が臼(うす)と杵(きね)に似ており、「うすきね様」と呼ばれていたことから「うすき」という地名ができたと言われている。「豊後国風土記」において海人の群と言われるだけに天然の良港に恵まれ、フグをはじめ海産物の豊富な地域である。