IT化で転出相次ぎ、再開発機運 高まる
国際金融の拠点、再構築へ
一般財団法人 日本不動産研究所本社事業部
不動産鑑定士 太田祐介
東京駅から東へ1㎞ほど、日本橋川沿いの日本橋兜町に東京証券取引所がある。
この街を日本のシティやウォール街にする――日本資本主義の父である渋沢栄一は、そのような青写真を描いていた。渋沢は、日本初の銀行として兜町に第一国立銀行(現みずほ銀行兜町支店)を設立すると、明治11年、東証の前身である東京株式取引所を創設した。取引所の周辺には株仲買が多数集まり、やがて「証券の街」兜町は、経済・金融の中心地となった。