2022/05/25 【公表資料】第46回 不動産投資家調査(2022年4月現在)を公表

 弊所は、日本の不動産投資市場における 共通理解を深めるため、不動産投資家および不動産投資に関連のある方々のご理解とご協力により、1999年4月に不動産投資家調査を開始しました。本調査は年2回実施しており、調査内容の充実及び精度向上に努めております。

 第46回「不動産投資家調査」(2022年4月現在)の調査結果(概要) 


■投資用不動産の利回りの動向

・オフィスは、「東京・丸の内、大手町」の期待利回りが前回調査に続き0.1㌽低下し、1999年の本調査開始以来の最も低い水準を更新した。その他の東京のオフィスエリアや地方都市でも期待利回りが低下する調査地区が多かった。国際情勢に係る不確実性が高まったものの、日銀の緩和的な金融政策の下、国内優良物件に対する不動産投資家の投資姿勢は積極的なままであり、こうしたことが期待利回りの低下に影響した。

・住宅は、ワンルームタイプでは前回比横ばいの調査地区が多くみられたが、ファミリータイプについては「東京・城南」を含む多くの調査地区で期待利回りの低下がみられた。

・商業店舗は、コロナ禍で人流抑制の影響が大きい都心型高級専門店では多くの調査地区で期待利回りが前回比横ばいとなったが、郊外型ショッピングセンターでは多くの調査地区で低下した。

・物流施設はコロナ禍でeコマースの進展に拍車がかかり、多くの調査地区で期待利回りは低下した。

・ホテルは新型コロナの変異種等で様子見姿勢が強まり全ての調査地区で利回りに変化はなかった。

■不動産への新規投資意欲など

・今後の投資姿勢については、回答者の94%が「新規投資を積極的に行う。」とした。日銀の緩和的な金融政策の下、全体としては不動産投資家の積極的な投資姿勢が維持された。

 

 第46回 不動産投資家調査 特別アンケート(概要)


(Ⅰ)2022年の不動産投資市場~国内外の情勢変化を踏まえて~

・昨秋以降の国内外の情勢変化を踏まえた回答各社の不動産投資姿勢については、「投資姿勢に特段の変化はない」とする回答が92.9%で最も多かった(下図参照)。また、「投資姿勢に特段の変化はない」とする理由については、「エクイティ投資家の投資姿勢や要求リターンに、変化はないから」とする回答が最も多かった(3ページ参照)。

・2022年の不動産投融資を行うに際し注視している事柄については、「日銀の金融政策」が最も多く、次いで「新型コロナウイルスの感染状況」であった(4ページ参照)。

・不動産投資市場の今後の成長ファクターについては、「市場参加者の多様化」が最も多く、次いで「投資アセットの多様化」であった(5ページ参照)。

・一方、今後のリスク要因については、「金利の上昇」が最も多く、次いで「賃料の伸び悩み」であった(5ページ参照)。

・アセット毎の不動産投資市場に係る今後の見通しについては、6ページに詳細結果を掲載。

(Ⅱ)不動産のESG投資について

・不動産投資家のESG投資に対する期待は、「不動産価値への影響」とする回答が最も多く、将来的な収益性の向上を期待する声が多かった(詳細は6ページの問14参照)。

・ESGに配慮した不動産とそうでない不動産の賃料収入について、現在は「特に違いはない」(82.4%)とする回答が最も多かったが、10年後は「1~5%程度高い」(60.2%)とする回答が最も多かった(詳細は6ページの問15参照)。

・ESG投資に適した不動産とそうでない不動産の期待利回りについて、現在は「変わらない」(77.1%)とする回答が最も多かったが、10年後は「-10bp(価値が高い方向)」(39.7%)とする回答が最も多かった(詳細は7ページの問17参照)。

 


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