市街地価格指数は全国主要都市で選定された宅地の調査地点について、日本不動産研究所の不動産鑑定士等が価格調査を行い、指数化したものです。また、木造建築費の推移を表すため、木造建築費を調査し指数化しています。
第162回「市街地価格指数」(2022年3月末現在)の調査結果(概要)
(変動率は全て2021年10月から2022年3月までの数値)
■全国の地価動向
・「全国」の地価動向は、全用途平均(商業地・住宅地・工業地の平均、以下同じ)で前期比(2021年9月末比、以下同じ)0.2%(前回0.0%)、2020年3月末調査以来、4期ぶりの上昇となった。(図表1参照)
・用途別にみると商業地は、コロナ禍の影響により飲食・小売店の店舗需要の減少や観光地における観光客数の低迷等、厳しい状況が続く地域がある一方、需要が持ち直した地域もみられ、全体では前期比0.0%(前回▲0.2%)となった。
・住宅地は、立地条件や住環境が良好な物件に対する需要は底堅く、前期比0.2%(前回0.0%)と上昇に転じた。
・工業地は、全国的に物流施設用地への需要は引き続き堅調で、前期比0.6%(前回0.4%)と上昇が続いている。
■三大都市圏の地価動向(最高価格地)
・三大都市圏の最高価格地は、「東京圏」で前期比0.7%(前回0.3%)、「大阪圏」で前期比0.4%(前回0.0%)、「名古屋圏」で前期比0.4%(前回0.3%)となった。東京圏と名古屋圏では上昇が続き、大阪圏は横ばいから上昇に転じた。(図表2参照)
■東京区部の地価動向
・商業地で前期比0.6%(前回▲0.1%)、住宅地で前期比0.9%(前回0.7%)、工業地で前期比3.2%(前回2.8%)となった。商業地は上昇に転じ、住宅地、工業地も上昇傾向が続いていることから、全用途平均では前期比1.0%(前回0.6%)と上昇が続き、上昇率も拡大した。
「市街地価格指数」の概要
市街地価格指数は、市街地の宅地価格(商業地、住宅地、工業地、最高価格地)の推移を表すため、毎年3月末と9月末の年2回、当研究所の本社・支社・支所の不動産鑑定士等が全国主要198都市の約1,800地点の地価を鑑定評価の手法に基づき評価し指数化している。1936年9月末に旧日本勧業銀行が開始し、今回が162回目。
第160回「全国木造建築費指数」(2022年3月末現在)の調査結果(概要)
(変動率は全て2021年10月から2022年3月までの数値)
・全国の木造建築費指数は、2010年3月末を100として115.0となった。
・前期比は2.5%(前回2.6%)となり、2012年9月末調査から上昇が続いている。前年同期比(2021年3月末比)では5.2%上昇となった。
・ウッドショック等の影響により資材価格の上昇が続く地域が多くみられたほか、慢性的な人手不足による労務費の上昇が続いている地域もあり、木造建築費は前期比2.5%上昇し、前期と同様の上昇傾向が続いた。
「全国木造建築費指数」の概要
全国木造建築費指数は、木造建築費の推移を表すため、毎年3月末と9月末の年2 回、当研究所の不動産鑑定士等が那覇を除く都道府県庁所在46都市で木造建築費を調査し指数化している。1938年3月末に旧日本勧業銀行が開始し、今回が160回目。
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〔お問い合わせ先〕
一般財団法人 日本不動産研究所 研究部:平井、梶野(TEL:03-3503-5335)