当公表資料は、一般財団法人都市農地活用支援センターと共同で、地方公共団体等の公的主体における定期借地権の活用状況についてアンケート調査を実施した結果の概要です。
2023年11月29日
一般財団法人日本不動産研究所
一般財団法人都市農地活用支援センター
1.結果概要
令和4年に定期借地権の活用実績があったのは全国で38団体、うち土地の貸付のみ行っているのが35団体、土地の借用のみ行っている団体はなく、土地の貸付、借用ともに行っているのが3団体であった。
土地の貸付・借用状況(団体数) | |
(注1)土地の貸付かつ借用している3団体の事例は、土地を借用し、かつ、その土地を貸付している転貸事業の事例であるため、集計の重複を避けるため、土地を貸し付けた供給実績として集計している。
(注2) 令和3年以前の数値は、国土交通省による調べ(以下、同様)。
令和4年に供給された定期借地権付住宅は79戸、その全てが賃貸マンション・アパートであった。
定期借地権付住宅の供給状況(戸数) | |
令和4年の定期借地権付の施設は48施設が新たに供給されている。用途別に見ると、「小売」・「医療福祉」が各14施設と多く、「工場等」が7、「オフィス」4、「教育」3、「飲食」2、「その他」4となっている。
定期借地権付施設の供給状況(施設数) | |
(注)平成21年以前は内訳が特定できないため、合計値のみ表示。平成20年と平成21年は貸付件数のみで、借用件数は含まない。
令和4年において、定期借地権付住宅では、賃貸マンション・アパートが首都圏で79戸、中部圏、近畿圏及びその他地域では供給されていない。
施設(48施設)については、首都圏が12施設、中部圏が3施設、近畿圏では15施設となっている。その他の地域では18施設が供給されている。
定期借地権付住宅(戸数) | 定期借地権付施設(施設数) |
注:地域区分は以下の通り
首都圏:茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 中部圏:静岡県、愛知県、三重県、岐阜県
近畿圏:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 その他:その他の道県
令和4年において、定期借地権付住宅は、一般定期借地権1販売単位となっている。定期借地権付施設の48プロジェクトは、一般定期借地権が7プロジェクト、事業用定期借地権が41プロジェクトとなっており、事業用定期借地権が圧倒的に多い。
定期借地権付住宅(販売単位数) | 定期借地権付施設(プロジェクト数) |
定期借地権付住宅は全て賃貸マンション・アパートの土地貸付となっており、平均借地期間は50年0ヶ月(最長50年0ヶ月)。
定期借地権付施設も、全て土地貸付となっており、事業用定期借地権の平均借地期間は25年3ヶ月(最長50年0ヶ月)、建物譲渡特約付定期借地権は事例が無く、一般定期借地権では51年7ヶ月(最長60年0ヶ月)となっている。
2.調査方法
アンケート調査票を、都道府県及び市区町村、都道府県及び政令市の住宅供給公社及び土地開発公社等へ送付し、前記以外の市区町村の住宅供給公社等は各市町村経由で照会する形で行い、回答された調査票について集計を行った。
令和4年1月1日から令和4年12月31日までに、当該土地において住宅の販売又は入居者募集を開始し、あるいは施設をオープンした事例を対象にしている。
a.調査対象団体(公的主体)
地方公共団体(全国の都道府県、市(含特別区)町村)
地方住宅供給公社等(全国住宅供給公社等連合会の正会員及び準正会員)
土地開発公社(都道府県及び政令指定都市の管下のみ)
独立行政法人都市再生機構
b.調査対象事例
調査対象事例となる活用事例とは、以下の事例である。
定期借地権を活用して公有地を民間事業者等に貸し付ける事例
定期借地権を活用して民有地等を公的主体が借地し、公的施設を整備する事例(PFIを含む)
アンケート調査は全国の公的主体2,425団体に対して実施した。回答は1,260団体からあり、回答率は52.0%であった。活用事例のあった団体は38団体(詳細は下表参照)。
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