2023/11/27 【公表資料】第49回 不動産投資家調査(2023年10月現在)を公表

弊所は、日本の不動産投資市場における共通理解を深めるため、不動産投資家および不動産投資に関連のある方々のご理解とご協力により、1999年4月に不動産投資家調査を開始しました。本調査は年2回実施しており、調査内容の充実及び精度向上に努めております。

 第49回「不動産投資家調査」(2023年10月現在)の調査結果(概要) 

■投資用不動産の利回りの動向

・期待利回りの動向は、アセット毎・地域毎に異なる結果となった。

・オフィスは、「東京・丸の内、大手町」の期待利回りが前回に引き続き横ばいとなったが、その他の東京のオフィスエリアや地方都市で期待利回りが0.1ポイント低下する地区と横ばいの地区が混在する結果となった。

・住宅は、「東京・城南」のファミリータイプが前回比で0.1ポイント低下し、本調査開始以来最も低い水準を前回に引き続き更新した。また、住宅の期待利回りの低下は多くの地方都市でもみられた。

・商業店舗は、「都心型高級専門店」は多くの調査地区で期待利回りが低下したが、「郊外型ショッピングセンター」は多くの調査地区で前回比横ばいとなった。

・物流施設(マルチテナント型、湾岸部)は、「東京(江東区)」で前回比0.1ポイント低下し、本調査開始以来最も低い水準を前回に引き続き更新し、それ以外の調査地区でも「名古屋(名古屋港)」を除き前回比0.1ポイント低下した。

・ホテルは、観光需要の回復から全ての調査地区で低下し、「京都」「那覇」で前回比0.2ポイント低下した。

■不動産への新規投資意欲など

・今後については、「新規投資を積極的に行う。」という回答が95%で前回よりも1ポイント低下した。金融緩和政策の見直しを警戒しつつも、不動産投資家の非常に積極的な投資姿勢が維持された。

 

 第49回 不動産投資家調査 特別アンケート(概要) 

・今回の調査では日銀の金融政策の運用見直しによって長期金利が上昇傾向にあるなか、不動産投資家の今後の投融資活動をどのように考えるか、アンケートを実施した。なお、日銀による一連のイールドカーブ・コントロール(YCC)運用見直しによる長期金利の上昇は、想定する不動産投融資期間内において「1%~2%の水準」とする回答が66.2%で最も多く、次いで「今の時点では答えられない」とする回答が25.6%を占めた。

・また、政策金利がプラスとなった場合は、「不動産投資市場は、一時的に停滞するものの、その後は回復に向かうだろう」とする回答が43.3%で最も多かった。なお、今後、量的緩和政策が変更された場合についても、「不動産投資市場は、ピークアウトするが、緩やかな調整となるだろう」とする回答が51.9%で最も多かった。

・不動産投資市場の今後の成長ファクターについては、「市場参加者の多様化」が最も多く、次いで「投資アセットの多様化」で、今後のリスク要因については、「金利の上昇」が2位以下を大きく引き離して最も多かった。

・アセット毎の不動産投資市場に係る今後の見通しについては末尾に調査結果を掲載。

 


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