弊所は、日本の不動産投資市場における共通理解を深めるため、不動産投資家および不動産投資に関連のある方々のご理解とご協力により、1999年4月に不動産投資家調査を開始しました。本調査は年2回実施しており、調査内容の充実及び精度向上に努めております。
第51回「不動産投資家調査」(2024年10月現在)の調査結果(概要) |
・期待利回りの動向は、各アセットで「低下」と「横ばい」が混在しつつもアセットによりその比率が異なる結果となった。
・オフィスは、「東京・丸の内、大手町」の期待利回りは3.2%で4期連続の横ばいとなり、その他の東京のオフィスエリアと地方都市においてもほぼ横ばいの結果となった。
・住宅は、「東京・城南」のワンルームタイプとファミリータイプの期待利回りはともに3.8%で横ばいとなった。また、地方都市では横ばいと低下が混在する結果となった。
・商業店舗は、「都心型高級専門店」は横ばいと低下が混在し、「銀座」は0.1ポイント低下し3.3%となり調査開始以来最も低い水準を更新した。「郊外型ショッピングセンター」は「大阪」と「福岡」以外の調査地区では横ばいの結果となった。
・物流施設(マルチテナント型)は多くの調査地区で横ばいとなったが、湾岸部の「大阪(大阪港)」と内陸部の東京(多摩地区)が0.1ポイント低下した。なお、「東京(多摩地区)」は4.0%と内陸部としては調査開始以来最も低い水準を更新した。
・ホテルは、多くの調査地区で0.1ポイント低下し、「東京」は4.2%で調査開始以来最も低い水準を2期連続で更新した。
・今後については、「新規投資を積極的に行う。」という回答が94%で1ポイント低下したが、「当面、新規投資を控える。」という回答も3ポイント低下し2%となった。緩和的な金融環境は維持されており、不動産投資家の非常に積極的な投資姿勢が維持されている。
第51回 不動産投資家調査 特別アンケート(概要) |
・今回の調査では日本銀行による一連の金融政策の変更により到来した「金利ある世界」において、不動産投資市場にどのような影響があると不動産投資家が考えているか、アンケートを実施した。なお、一連の金融政策の変更による不動産投資市場に対する影響は「影響はなく、変化は生じていない。」とする回答が67.8%と最も多く、次いで「やや萎縮し、市場は停滞の方向へ移行しつつある。」とする回答が29.4%となった。
・影響がない理由としては、「投資物件の取引に変化はない。」(38.5%)、「不動産投融資に係る社会全般の雰囲気に変化はない。」(32.3%)と不動産投融資に対する影響が感じられない回答が合わせて約70%を占める結果となった。
・また、2027年3月末の長期金利水準の予想については「1%~2%以下の水準」が72.7%と最も多く、その場合においての不動産投資市場への影響として「一時的に停滞するものの、その後は回復に向かうだろう。」(41.7%)、「大きな変化は現れないか、又はより活性化するだろう。」(22.3%)とする回答が合わせて64%と大きな長期金利の上昇と不動産投資市場の影響は見られないと考える回答が多かった。
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一般財団法人 日本不動産研究所 研究部:岩指、石塚、秋山(TEL:03-3503-5335)
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2024年5月29日に公表した「第50回 不動産投資家調査 特別アンケート(Ⅱ)不動産のESG投資について」の一部設問の回答集計に誤りがあったため、訂正のうえ、差し替えを行いました。訂正箇所とその正誤については、以下のとおりとなります。なお、差し替え後の資料末尾にも記載しております。
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