2024/11/27 【公表資料】第29回 全国賃料統計(2024年9月末現在)の調査結果を公表

 日本不動産研究所は、オフィス・共同住宅の賃料動向を把握するため、1996年9月末に全国賃料統計の調査を開始しました。

 毎年9月末時点で、当研究所の本社・支社・支所の不動産鑑定士等が、全国主要都市のオフィス76地点、共同住宅158地点を対象にモデル建物の新規賃料を査定し、市場規模を示すウエイトを乗じて指数化しています。

第29回 全国賃料統計(2024年9月末現在)の調査結果(概要)

 調査結果の概要 

○オフィス賃料は、調査地点の6割以上が前年から横ばいである中、東京圏は3年連続の下落から上昇に転じ、全国平均も3年ぶりに上昇に転じた。地方別では、四国地方を除いて全ての地方が横ばいもしくは上昇となり、特に北海道地方の上昇幅が最も大きかった。

○共同住宅賃料は、調査地点の5割以上が前年から横ばいであるものの、東京圏と大阪圏などの連続上昇を受けて全国平均も4年連続で上昇した。地方別では、四国地方を除いて全ての地方が横ばいもしくは上昇となった。

○今後の見通しは、オフィス賃料は東京圏の回復により、2025年9月末時点では全国平均で0.7%の上昇が予想される。共同住宅賃料は東京圏と大阪圏で引き続き上昇し、全国平均では0.9%の上昇が予想される。

 

図表1 賃料指数 (2010年を100とする指数)

注:東京圏とは、首都圏整備法による既成市街地及び近郊整備地帯を含む都市
  大阪圏とは、近畿圏整備法による既成都市区域及び近郊整備区域を含む都市
  名古屋圏とは、中部圏開発整備法による都市整備区域を含む都市
  六大都市とは、東京都区部、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市


 1.オフィス賃料  (図表1~5参照)

・オフィス賃料は、調査地点の6割以上が横ばいである中、東京圏は3年ぶりに下落から上昇に転じた。特に東京都区部は0.5%の下落から1.6%の上昇へと大幅に回復している。全国平均も3年ぶりに上昇に転じた。

・都市圏別では、東京圏は3年連続の下落から上昇に転じ、大阪圏は昨年から上昇へ転じ、名古屋圏は横ばい、三大都市圏以外は上昇傾向が続いている。

・地方別では、四国地方を除いて全ての地方が横ばいもしくは上昇となった。

・前年から上昇した地点の数は、今回が22地点と前年の7地点より大幅に増加した。一方、下落した地点の数は今回が5地点と前年の12地点から減少した。なお、49地点が横ばいとなった。

図表2 オフィス賃料の変動率

図表3 オフィスにおける上昇などの地点数の推移

図表4 全国の主要地点におけるオフィス賃料指数(前回・今回・予想)

図表5 全国の主要な地点におけるオフィス賃料指数(上段:2010年を100とする指数、下段:変動率)


 2.共同住宅賃料  (図表1、6、7参照)

・共同住宅賃料は、調査地点の5割以上が前年から横ばいであるものの、東京圏と大阪圏などでの連続上昇を受けて、全国平均は前年の0.8%から1.1%にさらに上昇した。

・都市圏別では、すべての都市圏が横ばいもしくは上昇となった。特に、東京都区部の大幅な上昇により、東京圏の上昇率が1.8%と最も大きかった。

・地方別では、四国地方を除いて全ての地方が横ばいもしくは上昇となった。

・前年から上昇した地点の数は今回が70地点と前年の49地点から大幅に増加した。下落した地点の数は今回が4地点と前年の6地点から減少した。なお、84地点が横ばいとなった。

図表6 共同住宅賃料の変動率

図表7 共同住宅における上昇などの地点数の推移


  3.今後1年間の見通し   

・オフィス賃料指数は、東京圏と大阪圏では上昇が続き、2025年9月末時点では全国平均で0.7%の上昇と予想される。

・共同住宅賃料指数は、東京圏と大阪圏などでは上昇が続き、2025年9月末時点では全国平均で0.9%の上昇と予想される。

 


 全国賃料統計の概要  

 全国賃料統計は、オフィス・共同住宅の賃料動向を把握するため、1996年9月末に調査を開始した。毎年9月末時点で、当研究所の本社・支社・支所の不動産鑑定士などが、全国主要都市のオフィス76地点、共同住宅158地点を対象にモデル建物の新規賃料を査定し、市場規模を示すウエイトを乗じて指数化している。

 

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