2024/12/02 【公表資料】令和5年・公的主体における定期借地権の活用実態調査結果(概要)を公表

当公表資料は、一般財団法人都市農地活用支援センターと共同で、地方公共団体等の公的主体における定期借地権の活用状況についてアンケート調査を実施した結果の概要です。

2024年12月2日
  一般財団法人日本不動産研究所
                         一般財団法人都市農地活用支援センター

公的主体における定期借地権の活用実態調査(令和5年)の結果概要

1.結果概要 

1)土地の貸付・借用状況

 令和5年に定期借地権の活用実績があったのは全国で42団体、うち土地の貸付のみ行っているのが39団体、土地の借用のみ行っている団体は2団体、土地の貸付、借用ともに行っているのが1団体であった(図表1)。

図表1  土地の貸付・借用状況(団体数)

(注1)土地の貸付かつ借用している1団体の事例は、土地を借用し、かつ、その土地を貸付している転貸事業の事例であるため、集計の重複を避けるため、土地を貸し付けた供給実績として集計している。

(注2)令和3年以前の数値は、国土交通省による調べ(以下、同様)。

 

2)建物用途別の供給状況

 令和5年に供給された定期借地権付住宅は、土地を借りている住宅はなく、土地を貸している住宅は2販売単位、戸数は4戸で、その全てが一戸建て住宅であった(図表2)。

図表2 定期借地権付住宅の供給状況(戸数)

 

 令和5年の定期借地権付の施設は53施設が新たに供給されており、土地を貸している事例は50施設で、土地を借りている事例は3施設であった。用途別に見ると、貸している施設は「医療福祉」が16施設と多く、「工場」8、「飲食」7、「小売」4、「教育」1、「オフィス」1、「その他」11となっている。借りている施設は3施設が全て「庁舎」に分類され、具体的な用途は「保健センター・歴史民俗資料館複合施設」、「食育推進・給食ステーション」、「地域交流センター」となっている(図表3)。

図表3 定期借地権付施設の供給状況(施設数)

 (注)平成21年以前は内訳が特定できないため、合計値のみ表示。平成20年と平成21年は貸付件数のみで、借用件数は含まない。

3)地域別の供給状況

 令和5年において、定期借地権付住宅では、土地を貸している一戸建て住宅が4戸であり、首都圏、中部圏、近畿圏ともになく、全てがその他地域における供給であった。
施設(53施設)については、土地を貸している施設(50施設)は首都圏が9施設、中部圏が1施設、近畿圏では12施設、その他の地域では28施設が供給されている。土地を借りている3施設は、首都圏が2施設、近畿圏が1施設であった(図表4、5)。

図表4 定期借地権付住宅(戸数) 図表5 定期借地権付施設(施設数)

注:地域区分は以下の通り
首都圏:茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 中部圏:静岡県、愛知県、三重県、岐阜県
近畿圏:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 その他:その他の道県

4)借地権の種類

 令和5年において、土地を貸している定期借地権付住宅は、一般定期借地権2販売単位、一戸建て住宅が4戸となっている。土地を貸している住宅以外の定期借地権付施設は、53施設、一般定期借地権が6施設で、建物用途は、医療施設が4施設、宿泊施設、複合施設がそれぞれ1施設であり、事業用定期借地権が47施設となっている。土地を借りている施設は3施設で、一般定期借地権は2施設、事業用定期借地権が1施設で、全ての建物用途は庁舎であった(図表6、7)。

図表6 定期借地権付住宅(販売単位数) 図表7 定期借地権付施設(施設数)

5)借地期間

 定期借地権付住宅は全て一戸建て住宅の土地貸付で、借地期間は全て51年となっている。

 定期借地権付施設は、土地貸付については事業用定期借地権の平均借地期間は26年(最長49年)、建物譲渡特約付定期借地権は事例が無く、一般定期借地権では56年(最長70年)となっている。

 土地借り受けについては、3施設であったが、事業用定期借地権は1施設で借地期間は23年、建物譲渡特約付定期借地権は事例が無く、一般定期借地権は2施設で、平均借地期間は55年(最長60年)となっている。

 

2.調査方法 

 アンケート調査票を、都道府県及び市区町村、都道府県及び政令市の住宅供給公社及び土地開発公社等へ送付し、前記以外の市区町村の住宅供給公社等は各市町村経由で照会する形で行い、回答された調査票について集計を行った。

1)調査の対象

 令和5年1月1日から令和5年12月31日までに、当該土地において住宅の販売又は入居者募集を開始し、あるいは施設をオープンした事例を対象にしている。

a.調査対象団体(公的主体)

地方公共団体(全国の都道府県、市(含特別区)町村)
地方住宅供給公社等(全国住宅供給公社等連合会の正会員及び準正会員)
土地開発公社(都道府県及び政令指定都市の管下のみ)
独立行政法人都市再生機構

b.調査対象事例

調査対象事例となる活用事例とは、以下の事例である。
定期借地権を活用して公有地を民間事業者等に貸し付ける事例
定期借地権を活用して民有地等を公的主体が借地し、公的施設を整備する事例(PFIを含む)

2)調査票の配布・回答状況

 アンケート調査は全国の公的主体2,383団体に対して実施した。回答は1,293団体からあり、回答率は54.3%であった。その内訳は次のとおりである。


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