Vol4. 民間主役の自律的で質の高いまちづくりによる地域再生の推進
株式会社日本都市総合研究所 顧問 鳥栖 那智夫 氏
2.12 UPDATE
株式会社日本都市総合研究所 顧問
鳥栖 那智夫 氏
プロフィール
1968年東京大学数物系大学院博士課程満期終了(都市計画)。1973年(株)日本都市総合研究所設立、現顧問。イタリア、アルジェリア、ネパールなどの海外都市づくりプロジェクトに参加の後、国内では首都圏計画・業務核都市計画・首都機能転計画等の広域計画、大阪万博・筑波科学博・都市観光づくりなどのイベント企画や計画、全国で多数のまちづくりの計画に参加。この間、IFHP評議員、都市計画中央審議会専門委員、長岡造形大学講師、日本都市計画家協会副会長などを務める。
カテゴリー
自然・地形、歴史・伝統、地場産業、生活文化、環境・景観、地域再生
テーマ
東京湾臨海部再生の一環として、新たな都心域の創生を目指す地域再生
- いかにスピードのある再生まちづくりを進めるか
- いかに、質の高いまちづくりを実現するか
場所の固有性
- 都心に近く、水辺環境と交通条件に恵まれた大規模造船所跡地
- 造船所土地所有企業(IHI)の地域再生の取り組みと適切な土地保有の姿勢
まちづくり上の特徴
- 民活のまちづくりによる地域再生
- 総合的な[まちづくり方針]策定の下で各種法定計画の円滑な改定などを進める
- 地権者全員参加を条件とする豊洲独自の[まちづくり協議会]の設立・運営によって、自律性のあるまちづくりを目指す
- 水辺の環境、新しい時代のテーマを取り込んだ質の高いまちを目指す[まちづくりガイドライン]を協議会の手で策定
- 受益者負担による基盤整備事業方式の導入
概要
- 民間のまちづくりを前提に、まちづくり方針策定時から地権者等と協議し、行政計画等に反映
- IHIの姿勢(土地保有、まちづくりへの参加、地区内に本社ビル建設)が再生の質を決めた
- 60haを10年で概成の超スピード開発――意思決定の迅速性、事業上の工夫(区画整理事業による防潮堤整備、受益者負担方式で事業費確保の自由性、UR都市機構の別枠国庫補助など)
- 徹底した議論を通じて質の高い、魅力的なまちを実現。
同時に地権者間の信頼関係が構築され、地域コミュニティ形成の核の可能性もうかがえる。